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HPVワクチンと妊娠:妊活中に接種しても大丈夫?
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HPVワクチンと妊娠:妊活中に接種しても大丈夫?
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、子宮頸がん、尖圭コンジローマ、さらには喉、肛門、陰茎のがんなど、深刻な健康問題を引き起こす可能性のある一般的なウイルスです。HPVは主に性的接触によって感染しますが、多くの人が無症状である一方で、感染が長期的な健康や生殖機能に悪影響を及ぼすこともあります。
HPVから身を守る最も効果的な方法のひとつが「HPVワクチンの接種」です。このワクチンは、HPVの中でも特にリスクの高い型の感染を予防することにより、関連するがんの発症リスクを大幅に低下させます。しかし、妊娠を計画している女性や現在妊活中の女性の中には、「この時期にHPVワクチンを接種しても安全なのか?」という疑問を持つ方も少なくありません。妊娠前や妊娠中にワクチンを接種するのは安全なのでしょうか?本記事では、その疑問に科学的根拠をもとにお答えします。
HPVワクチンは、ヒトパピローマウイルスの感染予防を目的としたワクチンであり、特に子宮頸がんやHPV関連がんの原因となる型に対して効果があります。現在、日本を含め世界中で使用されているワクチン(例:ガーダシルなど)は、主にHPV16型と18型に対応しており、これら2つは子宮頸がんの約70%の原因とされています。
ワクチンは年齢や医療歴に応じて、2回または3回の接種が推奨されます。体内に抗体を作ることで、将来的にウイルスに感染しても免疫が働いて防御できる仕組みです。性的接触を持つ前、つまり若年層での接種が最も効果的ですが、45歳までの接種も有効とされています。
一部では「HPVワクチンは妊娠や不妊に影響を与えるのでは?」という誤解がありますが、実際にはワクチンには生ウイルスが含まれておらず、妊娠能力や妊娠の継続に悪影響を与えることはありません。